「日本の一番長い夏」が来る、世界の範たる電力改革を
村上憲郎のグローバル羅針盤(40)

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2012/6/26 7:06
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いよいよ、将来、歴史家が「日本の一番長かった夏」と呼ぶことになるかもしれない夏が始まる。

村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長

1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。

村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長

1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。

6月16日午前の関係閣僚会議で、政府は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決定した。野田首相は「国民の安全を守るため、私の責任で決めた」と述べた。

その言うところの「国民の安全」とは、「原発の安全」と「電力供給の確保による生活や産業の安全」に分けて考えるべきであろう。

「原発の安全」という部分については、あくまでも「暫定的な安全基準に基づいて」という「留保付きの安全」であり、新しい安全基準に基づくものではないことを、まず確認する必要がある。

そして「電力供給の確保による生活や産業の安全」という部分については、「今後とも原発は国にとって重要な電源である」という時の原発がどこまでを含んでいるのかが問題である。

福島で過酷事故を引き起こした「Mark-I」(米ゼネラル・エレクトリック製原子炉)に代表される沸騰水型の原発、それも、比較的に古く建設された原発を含むのかどうか。それが、大飯原発3、4号機に代表される、比較的新しく建設された、しかも、加圧水型の原発のみを意味するのかどうか。これすら国は明確にしていない。

さらに、「電力供給の確保による生活や産業の安全」という部分についていうと、電力需要の管理(DSM:デマンドサイドマネジメント)の導入という、これまで供給(サプライ)サイド一辺倒だった日本の電力システムの抜本的な見直しに言及せずに、それを語ることは許されない。

野田首相の「私の責任で」という部分については、「何をかいわんや」である。ここで、野田首相が「責任を取る事態」として想定していると思われるのは、大飯原発3、4号機が、福島第1原発1、2、3、4号機のような過酷事故を引き起こした場合と思われる。

しかし、万が一、そのような事態となれば、責任の取りようが無いということは、本連載の第33回「電力改革、野田政権に『覚悟』と『責任感』はあるか」で、述べたところである。

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