2018年12月11日(火)

「日本の一番長い夏」が来る、世界の範たる電力改革を
村上憲郎のグローバル羅針盤(40)

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2012/6/26 7:06
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今回、再稼働されることになった大飯原発3、4号機は比較的新しく建設され、しかも、福島で過酷事故を引き起こした沸騰水型の原発ではない。そうだとしても、すでに各所で指摘されているように、次の様な立地上の問題を抱え込んだままの再稼働だということへの説明は、一切ないままである。

関西電力大飯原発の(左奥から)4号機、3号機(福井県おおい町)

関西電力大飯原発の(左奥から)4号機、3号機(福井県おおい町)

(1)想定される津波の高さに対処する防波堤が存在しない。

(2)福島第1の事故時に、最前線基地となった「免震棟」に相当する施設がない。

(3)原発が半島の先端部にあり、原発への支援アクセス、あるいは、避難ルートの確保が困難である。

私が、福島原発事故後の原発の安全性を巡る議論で、最も残念だと思うのは、「健全なる原発推進派」(ここでの「健全なる」は、「原発」と共に、「推進」にも係る)の不在である。

今回の過酷事故によって、原発推進派も反原発派も、原子力というエネルギーの扱いの厄介さを改めて思い知ったと思う。反原発派は、失礼ながら「それ見たことか」と言っておればいいともいえる立場である。

ならば、今こそ原発推進派が原発の「健全さ」の回復・確立にまい進すべきだ。

これまで反原発派の一部にあったヒステリックな言動に「反発」するあまり、原子力というエネルギーの扱いの厄介さに起因する「困難さ」ゆえの「事象」をひた隠しにする「不健全原発推進派」(ここでの「不健全」は、「原発」と共に、「推進」にも係る)としてではなく、原子力というエネルギーの扱いの厄介さに起因する「困難さ」ゆえの「事象」を開示・共有し、原子力というエネルギーの扱いの厄介さをなんとか克服して、このエネルギーを人類の支配下に置くべく、「健全なる原発推進派」として再出発して欲しいと思う。

さて、「電力供給の確保による生活や産業の安全」という部分についてのDSMの導入について、進展があったことを付け加えないのは、不公平であろう。

6月21日、関西電力は「関西電力管外の大口のお客さまを対象としたネガワット取引について」と題するプレスリリースを行った。詳細は、関西電力のホームページで、プレスリリースそのものを読んでいただきたい。

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