ウィルコムは「安い買い物」か、ソフトバンク PHSをフル活用
ジャーナリスト 石川 温

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2012/5/30 15:20
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ソフトバンクモバイルが29日、同社傘下のPHS会社ウィルコムと共同で夏商戦向け新製品を発表した。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)が4機種、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)3機種というやや寂しいラインアップだ。発表会は新製品よりもCMタレントと孫正義社長とのトークセッションのほうが印象に残ったほどだ。

■プラチナバンドで「同じ競争条件」に

そんななか、孫社長が熱心にプレゼンしたのが7月25日から始まる900メガヘルツ帯の周波数への対応だ。ソフトバンクでは「プラチナバンド」としてブランド化し、積極的にユーザーに訴求していく。他社と比べ「(従来は)プラチナバンドを持っていないことがハンディキャップになっていたが、(900メガヘルツ帯を獲得したことで)完全にイコールフッティング(同じ競争条件)にたち、どこでもつながるようになる」とアピール。下りの通信速度が毎秒110メガ(メガは100万)ビットを超える「ソフトバンク4G」とあわせ「ソフトバンクはネットワークナンバーワンである」(孫社長)と息巻いた。

ソフトバンクでは、900メガヘルツ帯の割り当てが正式決定する前から、基地局や端末を発注してきた。あるメーカー関係者は「この夏商戦モデルは、900メガヘルツに対応しないと買い上げないといわれてきた」と内情を語る。すでに1年以上前から、ソフトバンクモバイルでは900メガヘルツ帯の獲得を確信し、準備を進めてきたのだ。

電波のつながりやすい「プラチナバンド」対応をアピールする孫社長

電波のつながりやすい「プラチナバンド」対応をアピールする孫社長

もちろん、7月25日から一気にネットワーク品質が改善するわけではない。「垂直立ち上げ」ですぐに良くなるような印象があるが、孫社長は「一気に立ち上げると、他のネットワークとの整合性に問題が出てくる。最初は数百の基地局からスタートし、毎週増えていく。12月までには数千のかなり上のほうになる。年度末には万単位のオーダーになる」という。既存のネットワークとの干渉の問題もあるようで、検証を進めながらプラチナバンド対応基地局を増やしていくようだ。

ソフトバンクでは、900メガヘルツ帯の整備を進めながら、秋にはFDD-LTEもスタートさせる。iPhoneの次期モデルはLTEに対応する予定のため、同機種を導入するキャリアはLTE網を整備しなくてはならないからだ。アップルからは2.1ギガ(ギガは10億)ヘルツ帯でのLTE網整備が必須とされている。KDDIもLTE導入を前倒しする予定で、ソフトバンクモバイルはKDDIを横目で睨みながらの整備となる。

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