海洋・地熱エネルギー、古くて新しい電源  エネルギーを確保せよ(4)
技術で創る未来

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2012/5/24 7:00
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太陽光や風力発電は天候の影響が大きく、稼働率が不安定となる。電気の安定供給に欠かせない出力が一定となる未来の電源は何か。有望視されてきたのが、設備利用率が高い海洋エネルギーや地熱だ。深海に潜り、地中深く掘る。海洋国家、火山国日本の古くて新しい2つの技術の進化が始まっている。

沖縄本島の西約100キロメートルにある久米島。島の東海岸にある沖縄県の海洋深層水研究所で海洋温度差発電の実証実験が動き出す。出力100キロワット級の発電プラントを設置し、年度内にも発電を始める計画だ。

海洋温度差発電とは、600~1000メートル程度の深海のセ氏5~7度程度の冷たい深層水と25~30度程度の表層の海水の温度差を利用して発電する「海の地熱発電」だ。沸点の低いアンモニア水などを使って熱交換し、蒸気で発電用タービンを回す。研究所は深層水を使ってエビの養殖や野菜の栽培などを研究しており、新たに取水工事の必要がない。

■高い潜在能力

近海に海溝を多数持つ日本は無限の資源を持つ。同じ海洋エネルギーでも潜在発電能力は波力の8倍、海流の15倍、潮流の25倍以上とされる。

この分野では佐賀大の海洋エネルギー研究センターが、米国などとともに世界の研究をリードする。約40年前から研究に着手、伊万里市に日本で唯一の出力30キロワットの実証設備を持つ。

池上康之准教授は「海洋温度差発電は大規模化するメリットが大きい」と指摘する。経済性向上のため、神戸製鋼所とプラントコストの4分の1を占める熱交換機の改良研究を始めた。チタンの薄板の加工技術がカギで「日本勢が優れている分野」という。1キロワット時の発電単価をLNG火力のほぼ倍の水準に当たる20円にまで引き下げるのが目標だ。

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