ソーシャルゲームが直面する「次の試練」
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2012/5/23 7:00
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消費者庁は先週末、携帯電話などで遊ぶソーシャルゲームで使われている「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」が景品表示法に照らして違法にあたるとの認識を正式表明した。すでにグリー、ディー・エヌ・エー(DeNA)などプラットフォーム事業者6社は、コンプガチャの取り扱い中止を共同発表しており、消費者庁による指導前に自主対策を行った形を作った。しかし事態がすべて収束した訳ではない。ゲームに偶然性を持ち込み、人を熱中させてしまう要素である「射幸性」をどの程度認めるのか。つまり今度は、国家公安委員会が管轄する風営法における合法性が問われる局面に入っていく。

決算発表するグリーの田中良和社長(右)(8日午後、東京・六本木)

決算発表するグリーの田中良和社長(右)(8日午後、東京・六本木)

機関投資家向けの説明会で「コンプガチャ」について報告するディー・エヌ・エーの守安社長(右)と春田会長(9日午後、東京・丸の内)

機関投資家向けの説明会で「コンプガチャ」について報告するディー・エヌ・エーの守安社長(右)と春田会長(9日午後、東京・丸の内)


6社の連絡協議会は、ゲーム健全化の対策として「未成年者保護」と、アイテムをオークション(競売)サイトなどで換金する「リアルマネートレード(RMT)の禁止」などの実施案を定めていた。消費者庁が景表法を通じて指導できるのは二点。コンプガチャのような景品に類するものへの規制か、カードの出現確率を明示するといった表示方法への指導のみだ。

同庁はカードなどの出現確率をどの程度にすべきなのかという「射幸性」そのものへの制限を規定する権限は持っていない。それならば、社会的に受け入れられる射幸性とはどう考えるべきなのか。誰が規制すべきものなのか。

■難しい「射幸性」の定義

Yahoo!オークションで販売されているゲーム内アイテム

Yahoo!オークションで販売されているゲーム内アイテム

参考になるのが、カジノなどのギャンブル(ゲーミング)が歩んできた歴史だ。国内外の事情に詳しい国際カジノ研究所の木曽崇氏はこう語る。

「ソーシャルゲームに確率性がある以上、射幸性はある。ここまで社会的に注目されると行政としては何らかの枠組みを作らざるを得ないだろう」。さらに同氏は、「行政サイドの具体的な動きは分からないが」と前置きしつつ、「(警察庁を管理する)国家公安委員会が関心を持っているように見える」という。

ソーシャルゲームがユーザーの射幸心を利用したサービスを展開しているとなると、警察庁が問題視している「賭博性」と「反社会的勢力の入り込む余地」が存在しているからだ。

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