2018年8月14日(火)

米国発「オンラインカジノ合法化」のインパクト
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2012/5/16 7:00
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イギリスのオンラインカジノの提供企業のサイト

イギリスのオンラインカジノの提供企業のサイト

 コンプリートガチャ(コンプガチャ)問題で揺れる日本のソーシャルゲーム。ゲームで獲得できる仮想カードをオークション(競売)サイトなどを通じて現金化できるリアルマネートレード(RMT)問題や、どこまで射幸性が許されるのかという課題が突きつけられている。

 一方、米国ではまったく違う方向に進む動きが出ている。オンラインギャンブルを違法と位置づけていた米政府が、それを認める方向に大きく方針転換したのだ。「法律の管理下」という条件が付きながら、米ソーシャルゲーム企業は新たに生まれつつあるチャンスを目指して一斉に動き始めている。

■2006年に成立したオンラインギャンブル禁止法

 07年、仮想世界サービスの「セカンドライフ」は突然、サービス内で提供されていたギャンブルスタイルのすべてのゲームを禁止した。06年に成立したオンラインギャンブルを禁止する法案に従い、米連邦捜査局(FBI)から、例え仮想世界でのやり取りであってもゲームの合法性に疑問があるという方針が打ち出されたためだ。

 セカンドライフの中では、ポーカーやルーレットといったギャンブルを提供していた場所が多数でき、人気を集め始めていた。ただ、仮想通貨のリンデンドルは、現実の通貨への換金が可能で、その所有権もサービスが終了しない限りユーザーにあるという方針が採られていた。そのため法律に抵触すると解釈されたのだ。

 このオンラインギャンブルの禁止も仮想空間から企業が撤退する原因となり、セカンドライフのブームを終わらせる大きな要因になった。自由にサービスを提供できる空間に金銭の取引がうまれると、そこには自然と射幸性をあおるギャンブルが発生してくる。

■オンラインギャンブル「解禁」の司法解釈が生んだ変化

 いま状況は大きく変わりつつある。昨年12月に米司法省は、議会からの強い圧力にこたえる形でギャンブル法案の解釈を修正し、「オンラインギャンブルは可能である」という方針を打ち出した。背景には保守的なブッシュ政権に変わってIT(情報技術)企業から多くの支援を受けているオバマ政権が生まれ、政府の態度が変質してきたことがある。

 法解釈の変更により、ビジネスチャンスを求めて、多様な動きが出始めている。アメリカでは州単位でギャンブル(カジノ)の合法性が決められるが、2012年には、オンラインギャンブルが認められる州が少なくとも一つは出てくると見られている。すでにギャンブルが活発な街を持つ、コロンビア州、ネバダ州、ニュージャージー州、アイオワ州が一斉に合法化に向けた準備を始めており、さらに10の州が検討を始めているという。

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