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ソーシャルと「射幸心」の危うい関係 興奮は“管理”する時代に
ゲームジャーナリスト 新 清士

(1/5ページ)
2012/5/2 7:00
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 急成長している携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)向けのソーシャルゲームの特性を語る上で欠かせないキーワードがある。「セーブデータ」と「射幸心」だ。

 ゲームは「人と人」もしくは、「人とソフト(機械)」とのインタラクション(=相互作用)が価値を生む。プレーヤーは一定のルールに従って、様々な選択肢の中から1つを選び、試行錯誤をしながら意思決定をしていく。そして結果を予測し、成功や失敗をフィードバックとして楽しむ。

 その過程は一般のスポーツなどと変わりがないが、コンピューターゲームには、スポーツと大きく異なる点がある。プレーヤーが選んだ「結果」をセーブデータとして残せることだ。

■ゲームは「物理メディア」から「クラウド」へ

 ある人が「ゲームで遊ぶ」という行為によって生じた時間と費用の蓄積は、デジタルデータとして記録できる。そのデータはプレーヤーの“体験”が詰まった極めてパーソナルなものだ。

「Cut the Rope」のAppStoreのページ
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「Cut the Rope」のAppStoreのページ

 またスポーツの記録よりも圧倒的に情報量が多いうえ、一つのセーブデータを、他のユーザーのデータと交換することはできない。

例えば「ドラクエ」シリーズのようなロールプレイングゲームをプレーした場合、同じゲームであっても、そのセーブデータの状態はプレーヤー一人ひとりによってまったく違うものになってしまう。つまりセーブデータにも大きな付加価値性が発生するのだ。

 この25年あまりのゲームの歴史は、セーブデータが物理メディア(媒体)を離れて、インターネット上のクラウドに移行していくプロセスでもあった。そこに着目すると、ソーシャルゲームが主流になりつつある今、「射幸心」の問題が浮上してきたことが説明できる。

 1983年に任天堂が発売し「ファミリーコンピュータ」における一大イノベーションは、ゲーム機とROM(ロム)カセットによって、ハードウエアとソフトウエアを分離したことだった。当初はプレーヤーのデータを記録する機能はなかったが、87年の「ファイナルファンタジー」(当時スクウェア)が発売されてからセーブデータ機能をカセットに持たせることができるようになった。

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