2019年1月23日(水)

火がついたRMT対策 ソーシャルゲームに求められる統合ルール
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2012/3/21 7:00
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グリーは3月16日に、ソーシャルゲーム内で流通する仮想通貨やアイテムを現金化する「リアル・マネー・トレード(RMT)」行為に対しての対応策を発表した。

グリーの企業ページ。「リアル・マネー・トレード(RMT)」行為に対しての対応策を発表した

グリーの企業ページ。「リアル・マネー・トレード(RMT)」行為に対しての対応策を発表した

RMT行為を監視する体制強化と違反ユーザーへの厳格な対応、有人チェック体制の導入、ユーザーへの啓発や注意喚起のための特設ページと専用窓口の開設に加えて、グリープラットフォームにゲームを提供している企業にRMT行為への対応協力を求めるという内容だ。協力に賛同した企業としてコナミ、カプコンなど大手企業を含む30社が名前を連ねている。

未成年ユーザーに対しての対応策も発表した。利用金額制限を15歳以下は月5000円まで、16~19歳は1万円までとし、未成年ユーザーにはアイテム購入時の注意表示を強化するというものだ。

グリーによるRMT対策の表明は社会的に大きな意味を持つが、まだ課題を抱えている。現状の大きな問題は、基準をソーシャルゲーム各社が独自に作り始めることによって、ダブルスタンダード化が進む可能性が高いことだ。業界を上げた統合ルールがない現状は、社会的な不整合さが否めない。

■社会的な健全性を誰が担保するのか

端的にいうならグリー単独ではなく、ディー・エヌ・エー(DeNA)やミクシィなどソーシャルゲームのプラットフォームを提供する各社が共同でガイドラインを作成できるかが焦点になるだろう。右手で殴り合っていても,左手は握手しなければならない状況とでもいえるだろう。

ソーシャルゲームやオンラインゲームのアイテム販売は、「社会的受容」に大きく影響される。あるサービスの範囲がどの程度まで許されるのかは、社会の価値観が変化していくため常に曖昧な状態にあって、社会的な批判が広がると課題としてクローズアップされる。これは法律よりも、社会的な感情と向き合うことを求められる。

そのためソーシャルゲーム産業全体が「健全性」を担保していると社会に認められるかを問われることになる。

アイテム課金は現在、大きく三つの問題を抱えている。賭博性を含むアイテムの入手にRMTが絡む問題と、月額の利用金額の許容範囲の問題、さらにユーザーをどうやって守るかという問題だ。ソーシャルゲーム分野は新しく急成長した産業であるため、さまざまな点で制度的な不備を抱えている。

そうした不備を業界の自主規制によってまとめられるのか、それとも行政による規制で管理されるのかという微妙かつ大きな岐路に直面している。業界内での統一ルールができない場合、後者に流れる可能性が出てくる。

■家庭用ゲーム機で問題になった暴力表現

家庭用ゲーム機はかつて、類似の問題に2度直面している。青少年保護という観点から、暴力表現へのレーティングに社会的な注目が集まったからだ。

1度目は2000年ごろ。当時は任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメント、マイクロソフト、セガといったゲーム機のプラットフォーム企業が、独自の審査基準で暴力表現を評価・判断していた。

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