米国で活況「ゲーミフィケーション」は本物か ソーシャル新分野として注目
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2012/2/23 7:00
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日本国内で「ゲーミフィケーション」という言葉が一般的に聞かれるようになってきた。元来は「日常生活の様々な要素をゲームの形にする=ゲーム化(Gamefy)」という意味の単語がベースになっており、2010年に登場し、昨年一気にブームとして広がった。当初は「単なるバズワード(はやり言葉)で終わるのでは」との見方もあったが、米国ではソーシャル分野のベンチャービジネスとして資金が活発に動き、新サービスとして注目を集めるケースも登場している。

「ゲーミフィケーション」(井上明人著、NHK出版)

「ゲーミフィケーション」(井上明人著、NHK出版)

ゲームデザイン研究者である井上明人氏の著書「ゲーミフィケーション」(NHK出版)が発売されたことで、日本でもこれまで曖昧だった考え方が整理されて伝わるようになってきた。井上氏は「日常生活の様々なゲームになり得る要素にきちんとゲームとしての形を与えること」と定義している。

ただ、その具体的な内容は拡散しがちで、「何でもゲームにできる」と言うこともできてしまう。実際には、「『Web2.0』のような無意味な流行語に終わるのではないか」という批判もある。

しかし、発祥地である米国の実情はどうも違っているようだ。ソーシャルの新分野として、実際に様々な形でビジネスになり始めている。

■「ゲーミフィケーションはデタラメだ」

ジョージア工科大学のボゴースト教授は自身のブログに「ゲーミフィケーションはデタラメだ」と書いた

ジョージア工科大学のボゴースト教授は自身のブログに「ゲーミフィケーションはデタラメだ」と書いた

ゲームデザイナーでもあるジョージア工科大学のイアン・ボゴースト教授は昨年8月に「ゲーミフィケーションはデタラメだ」というコラムを自身のブログで発表している。

「コンサルタントが流行に乗って、不透明で望みのないものを大きなビジネスで使えるように考えだしたものだ」と猛烈に批判している。「セールスをできるだけ可能にすることがゲーミフィケーションの重要なポイントだ」「『もうけるためのソフトウエア』として、次のブームが来るまで、投資を集めることが目的のペテン師のゲームだ」などと辛辣だ。

ジッチャーマン氏は「ユーザーとの関係性を深める」などと説く(同氏のブログ)

ジッチャーマン氏は「ユーザーとの関係性を深める」などと説く(同氏のブログ)

「ゲーミフィケーション」の分野で注目を集めているゲームデザイナーのゲイブ・ジッチャーマン氏が昨年8月に出版した「Gamifilcation By Design(デザインに基づいたゲーミフィケーション)」(O'Reilly、日本語未訳)を読んでも、どうもすっきりとしない。この本はゲーミフィケーションの考え方の全体像を紹介し、ウェブアプリケーションとしてどう開発すればよいかという方法論を論じている。

その本質として、「ユーザーとの関係性を深め」、「ユーザーを褒めることでロイヤルティーを引き上げ」、「雇用者の動機付けを強くする」といった利点が挙げられている。また、それらの機能をウェブを通じたシステムとして自動化することで、自分が提供したいサービスに資源を集中できる、としている。

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