SNSで「共感」を形に 始動・クラウドファンディング

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2012/2/20 7:00
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「エンドロールに自分の名前が流れたら、どんなに感激するだろう」。神奈川県に住む会社員の杉本穂高さん(30)は、この夏公開予定のある映画を心待ちにしている。

モーションギャラリーに掲載されたキアロスタミ監督の企画

モーションギャラリーに掲載されたキアロスタミ監督の企画

「カンヌ映画祭・ベネツィア映画祭を制覇した巨匠キアロスタミが、新作『THE END』を日本で撮る!」――。イランを代表する映画監督アッバス・キアロスタミの大ファンだという杉本さんは昨年7月、ツイッター上でこんな情報を見つけた。

リンクをたどると、老紳士と女子大生の愛を描くストーリー紹介と共に「切望していた撮影が始まる矢先、東日本大地震で中止せざるをえなくなった」として制作資金を募っていた。

出資額に応じて、映画チケットや撮影現場の見学などの「特典」がある。10万円以上なら映画のエンドロール(監督や出演者、制作者などの一覧)に名前が入るという。「ファンにとっては見逃せない機会」。杉本さんは2回あわせて総額13万円を出した。

モーションギャラリーの大高健志氏

モーションギャラリーの大高健志氏

さらに世界最大の交流サイト(SNS)「フェイスブック」を通じて、出資者限定の情報が続々と入る。11月に横浜市の撮影現場を訪れたときには、急きょ通行人役としてエキストラ出演もできた。「あこがれの監督の作品に、自分も登場できるのだろうか」。杉本さんは、今まで以上にわくわくしながら新作に期待する毎日を送る。

「THE END」への資金支援を呼びかけていたのは、バルーン・&・カンパニー(東京・江東)が運営するサイト「motion gallery(モーションギャラリー)」。同社の社員で、現在は大学院で芸術を学ぶ大高健志氏(28)が2011年7月に立ち上げた。「共感したらお金を出してもらう仕組み。『もうかる』こと以外にも、多様な価値を見いだしてほしい」(同氏)

今のところ映画制作の資金を募るプロジェクトが多いが、被災地支援などにも幅を広げている。資金を集めたい人が「モーションギャラリー」のウェブサイト上から申し込むと、大高氏が使途や目標額、支援金の受付期間などを直接確認。その後、フェースブックやツイッターを通じて情報を発信し、資金を募る。

杉本さんのように「THE END」に出資したのは2月中旬時点で220人超。合計550万円以上が集まり、今も増え続けている。

■「善意」+αのインセンティブ

SNSやツイッターなどを使って寄付や資金支援を募る「クラウドファンディング」が日本でもじわりと広がっている。

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