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ドコモ、障害で会見「スマホ信号量の見極め甘かった。ユーザーの信頼損ねた」

NTTドコモが25日の通信障害で記者会見。岩崎文夫取締役らが陳謝した(26日)

NTTドコモが25日の通信障害で記者会見。岩崎文夫取締役らが陳謝した(26日)

NTTドコモは26日、東京都内で25日に発生した同社携帯電話の通信障害の原因と対策について記者会見した。同社の岩崎文夫取締役常務執行役員は、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の契約数増加に伴い、端末からネットワークに接続する際の信号量の増大に対する見極めの甘さがあったことを認め謝罪した。会見での主なやりとりは以下の通り。

――新型のパケット交換機に切り替えたのに、1時間あたりに処理できる制御信号量が減ったというのはどういうことか。

「交換機の能力は2つあり、『同時にどれだけの数の端末を接続できるか』と『1時間当たりの信号量』がある。スマートフォンはネットに常時接続しているため、新型交換機では同時接続数の能力を引き上げたが、逆に1時間当たりに処理できる信号量が減ってしまった」

「見積もりに甘さがあった。これまではiモードでの利用を想定した旧型(パケット交換)機の数を増やして対応してきた。新型交換機はユーザーが端末を操作しなくても何度も接続を繰り返すスマホの利用を想定して同時接続数の能力を高めたが、予想以上に信号量が多かった」

――iモードとスマホではどのくらい信号量に差があるのか。

「iモードの場合は操作時のみ制御信号が出る。スマホでアプリを使っている場合は、1台あたりその10倍はあると考えている」

――現時点で信号量の増加を誘発しやすいアプリは特定できているのか。アプリ開発者に個別に対策を依頼する考えはあるか。

「限られたアプリではあるが、いくつかでは信号量が多くなる。(流通している)アプリの数は多く、すべてを分析できてはいないが、(パケット通信を使って音声通話する)VoIPやチャットなどの影響があるとみている」

「各通信事業者にとって共通の問題なので、情報交換を含めて調査を進めていきたい。我々の対策としては、設備増設やパケット交換機の処理能力向上などできることからまず取り組む」

――アプリの利用に関してサービス面で何らかの制限をかける考えはあるか。

「自由に便利に使って頂くのがスマホの特性。制限はしたくない」

――トラブルの周知についてホームページへの掲載に時間がかかった。周知体制に問題はないのか。

「ホームページへの掲載は午前11時半。当初ネットワークの混雑が落ち着けば正常に戻ると認識していた。関連部署との調整に時間がかかってしまった側面もある。今回の記者会見も翌日になった。大変申し訳ない」

記者会見でのドコモの説明。スライド中央上にある新型パケット交換機の通信量が処理能力を上回った(26日、東京都内)

ツイッターはパケット通信のためつながらない。緊急地震速報などで使うエリアメールは地震発生と誤認される可能性もあり、通信障害時の利用は難しい。障害が起きた時に広く周知する良い方法を考えていきたい」

――カード決済など業務で端末を使っている法人ユーザーへの影響は。

「法人ユーザーへの影響の把握はまだだ。料金変更などの対象にはならないと現在は認識しているが、影響について真摯(しんし)に承って、対応していきたい」

――「つながりやすいドコモ」というブランドイメージを損ねたのでは。

「私どもも信頼を損ねたという危惧を強く持っている。度重なるトラブルへの全社的な検討をしているさなかの問題で、対策を急ぎたい」

――山手線の事故の影響があったのではないか。

「今回は鉄道事故の前から問題が発生しており、事故で更に設備への負荷が重くなって問題が長期化した。普段でも鉄道沿線での通信量は多い。首都圏の鉄道トラブルで利用が増える事態もこれまでも起きていた。あくまで我々の見積もりが甘かったのが原因だ」

――今後の対策は。

「まず全国のパケット交換機約200台に信号量を測定する機能を搭載し、2月中旬までに総点検。その結果に基づいて、速やかに設備増設を行う。それに加えてパケット交換機の処理能力を可能な限り高めていく。8月までに対策を完了したい」

――交換機増設などのコストは。

「早急に点検を行い、それに応じて設備投資の規模を早急に見極めたい」

――設備設計に必要な現在の信号量は推定で算出しているが、実測していないのか。

「実測できる新しいソフトウエアを、今回に先立つ20日の新型機切り替えからまさに展開しはじめたところだった。20日以降に実測したデータはまだ集計している最中。もっと早く見積もれたのではと反省している」

(電子報道部 宮坂正太郎)

過去半年間に起きたドコモの携帯電話の通信障害
発生日発生した
時間帯
影響を受けた
ユーザー数
被害状況原 因
2011年
6月6日
8時27分
 ~21時36分
約172万約12時間、関東甲信越で通話やメールが利用しにくい状態に加入者の位置情報を管理する装置故障
通勤ラッシュ時の位置情報登録が多く、更新中の子どもの場所を調べるサービス用ソフトの不具合が重なり、全体の処理が遅延
2011年
8月16日
11時29分
 ~18時29分
約110万約7時間、全国的にスマホのデータ通信がしにくい状態に第3世代携帯電話サービス「FOMA」のネットワークを構成する中継設備の故障
2011年
12月20日
12時22分
 ~14時25分
約2万関西を中心にスマホ利用者のメールアドレスが他人のものに置き換わる事象が発生。アクセス集中による加入者管理サーバーの能力不足
2012年
1月1日
(1)21時30分
 ~22時35分
約260万約1時間、スマホのメールが送受信がしにくくなる障害が2度発生。※260万人のうち、20万人に「不着メール」が届かず加入者管理サーバーの故障
(2)23時03分
 ~2日0時45分
2012年
1月25日
8時26分
 ~13時08分
約252万都内で4時間半にわたり携帯電話の通話とデータ通話がしにくい状態に新しく導入したパケット交換機の処理能力不足

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