2018年1月20日(土)

認知症、根治・予防に光明 京大発VB、ウコンから候補物質 高齢化に克つ(4)
技術で創る未来

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2012/1/10 13:00
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 エーザイが1997年に世界に送り出した代表的なアルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」。生みの親である同社の元研究者、杉本八郎・京都大学客員教授がアリセプトを超える新薬開発に挑む。アリセプトは病気の進行を遅らせる対症療法。「根治薬はいつできますか」。患者から何度も聞かれて奮起、杉本氏を含め社員約15人の京大発ベンチャー、ファルマエイト(京都市、宗像敬一社長)に舞台を移した。

■13年治験めざす

アルツハイマー病の治療薬を研究する京大客員教授の杉本氏(中)ら(京都市左京区のファルマエイトの研究室)

アルツハイマー病の治療薬を研究する京大客員教授の杉本氏(中)ら(京都市左京区のファルマエイトの研究室)

 きっかけは数年前の学術論文。インドのアルツハイマー病発症率が米国の約4分の1とする報告だった。杉本氏らが動物実験などで詳細に調べるとカレーの黄色の粉、ウコンの関与が判明、この成分をもとに約1000種の分子を設計して候補化合物を絞り込んだ。産業革新機構の支援を受け、2013年から米国で臨床試験開始を目指す。

 認知症になると何度も同じことを言ったり、今がいつで自分がどこにいるのか分からなくなったりする。国内の認知症高齢者は推定で約230万人。アルツハイマー型と脳血管型が大部分を占め、国内の約6割を占めるとされるアルツハイマー型(アルツハイマー病)では脳全体が萎縮する。

 アルツハイマーはがんなどに比べて高齢になるほど発症しやすく、70歳を超えると加速度的に患者が増えるといわれる。医療の進歩もあって体の多くの機能を長く保てても、肝心の脳が正常に働かなくなる――。重症化すると入浴や排せつに介助が必要になり、家族も社会も負担は増す。ヒューマンサイエンス振興財団が代表的な疾患について医師にアンケート調査したところ、とりわけアルツハイマー病は治療に対する薬の貢献度は低い。超高齢社会が医療に突きつける最大の難題の1つだ。

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