イノベーションから見る日本のソーシャルゲームの未来

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2011/12/28 7:02
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2011年の日本国内のゲーム市場は、ソーシャルゲームの急激な成長を強く印象づけて終わろうとしている。この成長は12年以降も継続するのだろうか。今後の変化を予測する手段として、スマートフォン(スマホ)のゲーム市場と日本のソーシャルゲーム市場を比較し、「イノベーション」の視点から読み解いてみた。

■15年目にiPhoneに移植された傑作ゲーム

AppStoreの「Slay」

AppStoreの「Slay」

筆者は最近、iPhone向けの「Slay」というターン制のストラテジーゲームにはまっている。小さな島を舞台に5つの勢力に分かれて陣地の取り合いを行い、最終的に島を統一することを目的とするゲームだ。1プレーは15分程度。チェスと詰め将棋を足したようなボードゲーム風で、単純な操作とルールにもかかわらず絶妙なバランスがあって、とても奥が深い。中世の英国のように分裂した小国家が大きくなっていくイメージの展開を見せ、これまでにない分野を切り開いた傑作ゲームといえる。

ゲームを開発したのは1人専業開発者の英国人シーン・オコーナー氏。これまで11本のゲームをリリースしている。実はSlay開発の歴史は古く、1995年に最初のバージョンをパソコン用にシェアウエアとしてリリースしてから、様々なハードに移植しながらアップデートを続けてきた。そうした歴史もあって、絶妙なバランスに成熟している。

このゲームは無料版だけでも3時間以上は遊べる。350円(12月27日現在)の有料版は460を越える面を収録した大ボリュームで、3時間遊んでも10面クリアするのがせいぜい。どれだけ遊んでも終わりがなく中毒性がある。

iPhone用として6ドルで発売されたのは10年のこと。ネット流通がなければ販売が難しかったタイトルだ。AppStoreのランキングでは、米国のゲーム総合で25位を記録したのがピーク。販売金額のピークは米国で431位と、必ずしも高い結果を残していない。発売から1年半が経過した現在では、1000位以下となりランキングから外れている。

ユーザーからの評価は5点満点が1382件、1点が1518件と意見がはっきり分かれている。1点の多くは初期のバグでクラッシュが多いという不満と、ルール解説が詳しくないため最初のとっつきにくさを越えられず、おもしろさがわからないまま投げ出してしまった不満だ。一方ではまった人間には、実にコストパフォーマンスの良いゲームとなる。

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