COP17ルポ 新枠組みへ二転三転、京都議定書延長へ
編集委員 滝順一

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2011/12/11 19:31
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ヌコアナマシャバネ議長は「金曜(9日)の夜は自宅で夕食が食べられる」と交渉の行く末に終始、楽観的な見方を振りまいていたが、2日にわたる徹夜の閣僚級協議にもかかわらず着地点が見えないことが各国代表をいらだたせた。

予定を1日過ぎた10日午後になっても「20年発効」をめぐるEU・小島しょ国連合と、米国や中国などとの対立は解けず、細野環境相をはじめ各国の閣僚級代表はダーバンを離れ始めた。出発前に細野環境相は「残念ながら中身に入る前で議事が紛糾した部分も多々あった。合意できるか難しい状況だが、方向性を見いだしたことに大きな意味があった」と交渉を振り返った。

最終局面を迎え、インダバに代わり交渉官同士の会合が午後いっぱい開かれた。交渉がここへ来てようやく加速してきた感じが会場に漂い始めた。

午後6時過ぎに各国の代表が次々と会議室から現れた。報道陣に囲まれた外務省の平松賢司地球規模課題審議官は「かなりの進展があった」、ヘデゴー欧州委員も「進展がある」と語り、ヒューン英エネルギー・気候変動担当相は「コンセンサスはまだだが、合意の希望がある限り私たちは帰らない」と話した。しかしいずれの表情も硬く、楽観を許さない状況がうかがえた。

午後6時半ころから一連の全体会合が始まった。ベネズエラなど南米諸国が先進国の削減目標が低いと異議を唱え、インドも新枠組みで「(先進国と途上国の)共通だが差異ある責任」の明確化を求めて合意文章の修正を要求した。

日付が変わり空も白んだ11日午前5時過ぎ、「ダーバン・プラットホーム(ダーバン枠組み)」と名付けられた新枠組みへの交渉開始と、京都議定書の延長が決まった。「歴史的な成果だ」と、閉幕後の記者会見でヌコアナマシャバネ議長は目をうるませた。

これで90年代から始まった温暖化交渉は20年を経て大きな節目を迎えた。先行きはまだ不確定要素が大きいが、新興国の台頭を受けて既存の仕組み(京都体制)を見直し、より包括的で実効性の高い国際制度に再生する端緒が見えてきた。COP17は一応の成果をあげることができたが、合意の具体化はこれからだ。国連を舞台にした各国の駆け引きをよそに温暖化は着実に進行しており国際社会の対応は明らかに後手にまわっている。

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