COP17ルポ 新枠組みへ二転三転、京都議定書延長へ
編集委員 滝順一

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2011/12/11 19:31
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一方、米国はスターン気候変動問題担当特使が8日の記者会見でEU提案への支持をうかがわせる発言をし、これが一部で大きく報道されたものの、米国務省は夜半になって発言を取り消す声明を出し動かない。EUは中国とインドを口説き落とし、最後は孤立を嫌って米国が乗ってくることを狙ったと推測される。

9日午前10時過ぎにインダバが再開される予定だったが、未明までに議論のまとめができず、閣僚が集まったものの議論しないまま解散した。会場から出てきた細野環境相は「まだ紙はできていない。各国が納得できる文章にするのが難しいのだろう」と述べた。その後閣僚級のインダバは断続的に夜を徹して開かれることになる。

9日午後4時過ぎに行程表に関するインダバの議長提案がようやく公表された。(1)法的な拘束力を備えた新枠組みについて15年までに合意し20年以降に発効をめざす(2)新枠組みの議論の場として新たな作業部会を設ける――という内容。

「15年合意、20年発効」では対策が遅いとの批判が出ると予想された。また新作業部会設置は、07年のCOP13以来、議定書延長議論と新枠組みの議論を別々の作業部会で進めてきた仕組みにピリオドを打つ意味合いがある。それは削減義務を負う先進国と支援を受ける途上国との2分法の世界の見直しにつながる。先進国にとっては望ましいが、途上国からの反発が予想された。

日付が変わった10日午前4時に議長のヌコアナマシャバネ南ア外相は議長提案の修正案を発表した。12時間前の提案と比べると「20年発効」を明示していないのが大きな変更点だ。20年以前の早期実現を主張する小島しょ国連合(AOSIS)とそれに同調するEU、20年以降に遅らせたい米国などの間で、時期を明示しないことで妥協を図ろうとしたとみられる。

同時に発表された京都議定書の延長に関わる文書では、第2約束期間を17年末までとしており、併せて読めば18年から新枠組みスタートとも解釈できる玉虫色の修正だ。京都延長でEUのほかノルウェー、オーストラリア、ニュージーランドも削減義務を引き受けたが、参加国全体の目標として20年に90年比で「少なくとも25~40%削減」すると数値が明記された。これは重い目標だ。

議論ばかりで遅々として進まぬ交渉で、議長采配への不満も爆発した。交渉関係者によると、9日深夜の閣僚級インダバで、小島しょ国代表が議長提案を厳しく批判、これを口火に様々な国から南ア批判が飛び出した。アフリカのある国も議長に痛烈な言葉を浴びせたという。COP17は「アフリカのCOP」ともいわれ、国際環境交渉での存在感を高め支援を獲得することがアフリカ諸国の関心のひとつだ。

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