社会を変える日本の研究、革新力 産業に成果生かせ
技術で創る未来(上)

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2011/12/2 10:00
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次々と最先端のテクノロジーを生み出してきた技術大国・日本。だが近年、頭脳と資金をうまく活用できず、世界における研究開発・産業創造力の低下を指摘する声が少なくない。今こそ日本発のイノベーション(技術革新)を興し、社会の活力と新しい産業につなげる知恵と工夫が試されている。

■本当なら「歴史に残る大発見」

素粒子ニュートリノは光より速く飛ぶのかもしれない。名古屋大学などの国際チームが、「光速より速いものはない」とするアインシュタインの相対性理論を覆すような実験結果をこのほど発表した。

追試による確認が不可欠だが、本当なら歴史に残る大発見だ。素粒子物理は日本の得意分野。とりわけニュートリノ研究はノーベル賞の小柴昌俊・東京大学名誉教授の活躍以来、層が厚い。

米国の情報サービス会社、トムソン・ロイターは大野英男・東北大学教授をノーベル物理学賞の候補者に挙げた。大野教授は磁気で情報を記憶する半導体素子「MRAM」を研究、NECと共同で家電待機電力をゼロにできるメモリーの開発成果を6月に国際学会で発表している。

■最先端で大金星

東北大と言えば、こちらは磁性材料が得意技だ。本多光太郎氏(第6代総長)による世界最強の永久磁石(KS鋼)の開発など世界に先駆ける成果を上げてきた。

最先端の科学技術分野で日本の研究者の健闘が目立つ。ほかにも、山中伸弥・京都大学教授の新型万能細胞、細野秀雄・東京工業大学教授の新電子材料の開発が近年の大金星として思い浮かぶ。

しかし喜んではいられない。こうした優れた研究成果が日本ではなぜか生かされない。ディスプレーの高性能化に威力を発揮する細野教授の成果を最初に実用化するのは、韓国サムスン電子だとみられている。

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