2018年7月19日(木)

起業家は「失敗会議」から何を学ぶ?
挫折経験を共有 試行錯誤で道探る

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2011/10/30 7:00
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 米サンフランシスコで24日、「フェイルコン」と題した会議が開かれた。フェイルコンは「フェイリヤー(失敗)」と「カンファレンス(会議)」を組み合わせた造語で、直訳すれば「失敗会議」。シリコンバレーでは情報交換や人脈作りの場としてIT(情報技術)関連の会議が多数催されているが、失敗をテーマにした会議は珍しい。なぜ、「失敗」が重要なのか。会議に参加し、その背景をのぞいた。

 「失敗を愛し、成功を勝ち取ろう」――。24日午前9時。会場となったホテルの一室に足を踏み入れると、壇上のスライドにはこんな文字が大きく映し出されていた。看板に偽りはなく、本当に失敗がテーマのようだ。用意された椅子は大半が埋まっており、参加者数はざっと数百人。この会議が人気を集めている様子が伝わってくる。

フェイルコンで自らの失敗を語った登壇者たち(24日、米サンフランシスコ)

フェイルコンで自らの失敗を語った登壇者たち(24日、米サンフランシスコ)

■成功者の「美談」は役に立たない

 会議の冒頭、このイベントのエグゼクティブ・プロデューサーを務めるカス・フィリップス氏が説明を始めた。フィリップス氏自身もベンチャー企業を経営し多くの会議に参加した経験を持つが、疑問を感じることが多かったという。「100万人の利用者を獲得した立派な起業家の話を聞いて帰っても、100人すら集めるのに苦労している自分には何の役にも立たなかった」

 その次には、現在グーグルで働くアンナ・パターソン氏が登壇した。パターソン氏はかつてグーグルを辞めて自らインターネット検索を手掛けるベンチャー企業を立ち上げたが、失敗。会社を畳んでグーグルに出戻った。「失敗について話すのは難しい」と言いながらも語り始めた。

 起業の経緯や挫折の話に続き、パターソン氏が参加者に伝えたのは「失敗後」の心得だ。「すぐに次の仕事を探した方がいい」「元社員の再就職を手伝うことで夜眠れるようになる」「会社を畳む直前は秘密が多くなり友人に不義理をしがちだが、失敗後にはそうした人間関係の再構築を」。参加者は生々しい話に聞き入っていた。

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