電車内でつながらないスマホ、心理ストレスは「満員電車の2倍」

2011/10/22付
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実験に使ったスマートフォン3機種

実験に使ったスマートフォン3機種

スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)は仕事や日常生活で便利な半面、操作時のストレスは満員電車に乗るときより強い――。杏林大学医学部の古賀良彦教授らはスマホ使用時のストレス度を調べた実験結果をまとめた。ラッシュ時の地下鉄で回線がつながらないスマホを使うと、同じ時間帯に車内で立っているだけの場合に比べて約2倍の「イライラ」を感じるという。

実験は9月上旬、20~30歳代の男女(実験によって10~12人)を対象に実施した。スマホは米アップルの「iPhone4」(回線はソフトバンクモバイル)、韓国サムスン電子「ギャラクシーS2」(同NTTドコモ)、台湾HTC「HTC EVO 3D」(同KDDI)の3機種を使用。質問用紙でイライラ度を尋ねたほか、唾液に含まれるストレスホルモンの測定、心拍数の計測をそれぞれ実施した。

地下区間で回線が繋がらない東京メトロ丸ノ内線(赤坂見附駅―新宿駅、所要時間約10分)で夕方ラッシュ時(午後5~7時)にスマホを使った場合、被験者のイライラ度は安静時の4倍近く、ストレスホルモン濃度は2.2倍に高まった。この値は、同区間を単に乗車した場合や針穴に糸を通す作業を10分間続けたときよりも高いという。

無線LANを使って回線をつないだ場合でも、アドレス帳やスケジュールの登録、クイズへの解答入力といった複雑な操作をすると、計算や針穴通しなどの日常作業や同様の作業をパソコンで行った場合よりも心理的ないら立ちの程度が高かった。JR山手線の車内で動画を閲覧する実験では、3G回線を使った場合に比べ、高速無線「WiMAX」を使うと心理ストレスや唾液中のストレスホルモンが大幅に少なかったという。

スマホは外出先で様々な情報を調べたり、豊富なアプリを楽しんだりできるため、電車内で使う人も多い。古賀教授は、端末の操作に夢中になることがストレス解消につながるといわれていることに触れて、「電車内で無意識にスマホでストレス解消しようとする人が多いのでは」と指摘する。ただ、今回の実験で「状況によっては、通信回線がつながらなかったり、通信速度が遅かったりすると、むしろストレスを強めてしまう」という結果が出た。同教授らは今後も、スマホ使用と人のストレスとの関係について研究を進めるという。

(電子報道部 宮坂正太郎)

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