2019年8月24日(土)

世界一の秘密 ニッポンの知られざるオンリーワン企業

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2011/10/12 13:00
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円高、高い法人税率などいわゆる「6重苦」に直面する産業界。そんな逆風下でも世界市場でトップシェアを持ち、輝き続けている日本企業は少なくない。力の源泉は様々だが、共通するのはグローバル市場で首位の座を維持するすべを見いだし、ほとんど他社の追随を許さない点だ。知られざるガリバーの秘密を探ると……。

■桐生市、織物技術生かし液晶偏光板の産地に

奈良時代から日本有数の織物産地として知られる群馬県桐生市。この地に根を下ろす西工業は、液晶画面に必ず使われる「偏光板」をつくる装置の最大手だ。全世界で生産される偏光板の5割が同社の装置から毎日、生まれている。世界ナンバーワンに押し上げたのは長い歴史のある桐生の伝統のワザだった。

偏光板は薄い樹脂フィルムをヨウ素で染めた後、強い力で縦方向に引き伸ばすことで特定の角度の波だけを通す。桐生で染色機械を製造する会社を経営していた西貞造社長に台湾企業から「原理は染色機械と同じだから」と、装置開発の話が舞い込んできたのは1997年のこと。伝統技術にこだわり続けてきたことが、後の世界的なヒットにつながった。

偏光板製造装置の肝は、いかに樹脂フィルムにシワやムラが入らないように伸ばせるかにある。同社はフィルムを搬送するための専用のカーボンロールやベアリングを自社で手がけてきた。これが大手の顧客が内製化の動きを強めるなかでも、高シェアを維持できる理由だ。

2011年2月期の売上高は39億円弱、最終利益は2億円弱だった。売り上げの7割を偏光板製造装置が占める。世界を見回しても「この分野でライバル会社はいない」(西社長)。

地方には、他社がまねのできない技術でニッチ道を極める企業がほかにも存在する。

■微弱光を見つめる機械で世界トップ

ホタルの光の1万分の1の明るさから、物質の劣化を計測――。東北電子産業(仙台市)は物質が劣化する際の発光現象(ルミネッセンス)をとらえる「極微弱発光計測装置」でほぼ100%の世界シェアを握る。

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