ソーシャルで「メジャー」を狙え ファン巻き込み選手も発掘
スポーツを支えるIT(5)

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2011/8/19 7:00
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第9回全日本選抜剣道八段優勝大会のユーストリーム中継現場(2011年4月17日、愛知県名古屋市)

第9回全日本選抜剣道八段優勝大会のユーストリーム中継現場(2011年4月17日、愛知県名古屋市)

スポーツの世界でソーシャルメディアを活用する動きが加速してきた。ファンと競技者の接点を増やし、スポンサーや助成金をより多く獲得、さらに有力な選手を育成する――。一連の好循環を作り出すうえで、インターネットが力を発揮しつつある。

■ユーチューブ1位に輝いた「剣道」の大会

2010年11月、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」の国内スポーツジャンルで、日本の伝統競技が再生回数1位に輝いた。11月3日に日本武道館で開催された「第58回全日本剣道選手権大会」だ。スポーツ以外の他分野の動画を含む全ジャンルで5位、全世界でも79位となる快挙を達成した。

全日本剣道連盟の公式ソーシャルメディアリンク集。運営・管理を行っている公式アカウントが明示されている

全日本剣道連盟の公式ソーシャルメディアリンク集。運営・管理を行っている公式アカウントが明示されている

仕掛けたのは大会を主催する全日本剣道連盟。事務局の矢野雅之さんと情報小委員会委員の小川晃通さん、阿部晶人さんの3人が中心となり、大会前から開催情報をミニブログの「Twitter(ツイッター)」で発信。大会当日の全63試合(約9時間)も動画共有サービスの「Ustream(ユーストリーム)」でリアルタイムに中継し、戦況をツイッターでつぶやいた。ユーストリームの総視聴者数は5万人以上。ソーシャルメディアを総動員した情報発信が、ネット上で注目を集めた。

小川さんと阿部さんは、慶応義塾大学環境情報学部在学中に剣道サークルに加入。剣道好き・IT(情報技術)好きが高じ、恩師の誘いもあって全剣連の情報小委員会に携わるようになった。主要な大会の公式ブログを立ち上げるなど、ITを活用した剣道の情報発信に取り組み始めて10年以上がたつ。

ソーシャルメディアは「経験者など、すでに剣道に関心があるネットユーザーが試合や選手の情報を共有し、広めるのに有効」(小川さん)なのに加え、新しいファンの掘り起こしにも役立っている。ホームページなどによる一方的な情報発信に比べ、例えばあるユーザーのつぶやきがツイッター上で次々とコピー(リツイート)され加速度的に広がる効果が最大のメリットだという。普段は矢野さん、小川さん、阿部さんの3人でほぼ全てのアカウントを運営・管理している。ほとんど広告宣伝費をかけずに情報発信できるのも、ソーシャル活用の大きな利点だ。

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