電力投資1300兆円の行方 試される日本のインフラ力

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2011/8/1 13:00
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インフラ(社会資本)ビジネスが世界経済のけん引役になろうとしている。人口の拡大や都市化が進む新興国だけでなく、先進国でも老朽化設備の更新が必要になっており、今後20年で5000兆円を超える巨大な需要が生まれるとの見方もある。特に発電インフラは日本の原発事故の影響は未知数だが、火力発電所や風力など再生可能エネルギーを中心に需要が急速に拡大しそうだ。日本企業は世界市場で商機をつかめるのか。その技術力が試されている。

■日本製鋼所、タービン部材で追随許さず

日本製鋼所の室蘭製作所(北海道室蘭市)。100年の歴史を誇る鍛造工場では今、インドなどで建設が本格化する超大型石炭火力(100万キロワット級)の蒸気タービンのシャフト(軸)の生産準備が進む。世界最大の600トンの鉄塊を巨大プレス機で何度もたたき、溶接部のない鍛造部材を作り上げる。他社の追随を許さない技術だ。

真っ赤に燃える鋼の塊を打つ世界最大級のプレス機(日本製鋼所室蘭製作所)

真っ赤に燃える鋼の塊を打つ世界最大級のプレス機(日本製鋼所室蘭製作所)

同社は原発の圧力容器の部材で世界シェアが8割ある。東日本大震災に伴う東京電力の原発事故後に株価は一時、4割弱も下落したが、同社は火力などの蒸気タービン向けも世界シェアが3割とされる。「タービンの部材で日本製鋼所に対抗できる企業は少ない」(重電大手幹部)という。

今後数年で100万キロワット級の超大型火力が40カ所以上建設されるインドなどで需要が拡大するとみられている。

世界の電力設備投資はOECD(経済協力開発機構)予想では2035年までに合計1300兆円。このうち750兆円が発電所の新設に振り向けられる。今回の原発事故を契機にドイツなど一部の国で原発建設の見直しの動きが広がり、天然ガスや石炭を使う火力発電への再評価が進む可能性が出てきた。そこに生かせる日本のものづくり技術は多い。

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