2019年5月26日(日)

東北新幹線、49日で復旧 「阪神より短期」支えた2つの進歩

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2011/4/29 7:00
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阪神大震災(1995年)は81日、新潟県中越地震(2004年)は66日、そして今回の東日本大震災は49日――。4月29日に全線で運転再開した東北新幹線。過去の震災よりはるかに長い約500キロメートルの区間で被害を出しながら、より短期間で復旧を遂げる。その裏には、過去の震災から学んだ2つの対策の進歩があった。

東北新幹線が全線復旧し、JR東京駅を出発する「はやぶさ」の始発列車(29日午前)=写真 松本勇

東北新幹線が全線復旧し、JR東京駅を出発する「はやぶさ」の始発列車(29日午前)=写真 松本勇

「あれだけの地震だったのに被害も少なく、修復の段取りも良い」。震災から2週間が過ぎた3月28日、仙台市北部の岩切線路橋を訪れた土木学会のコンクリートや構造工学の専門家らによる合同調査団は、ほぼ元通りになった橋脚を見て感嘆した。震度6強の激しい揺れに襲われた地域だが、耐震補強を施した橋脚2本は外観上はほぼ無傷。残る未補強の橋脚もひび割れは起きたものの、この時点で補修工事は一段落していた。

東日本一帯で甚大な被害を出した今回の震災。新幹線の被害も広範囲にわたった。東日本旅客鉄道(JR東日本)によると、東北新幹線の大宮(さいたま市)―いわて沼宮内(岩手県岩手町)の約500キロメートルで電化柱、高架橋など1200カ所が損傷した。阪神大震災の京都―姫路(約130キロ)、中越地震の越後湯沢―燕三条(約90キロ)と比べても被災区間は格段に長い。

■補強した場所の損傷「ほぼ皆無」

それにも関わらず復旧までの日数を約半分に短縮できたのはなぜか。第1の理由は、阪神大震災後に全国の新幹線などで順次進めてきた耐震対策を通じて、土木構造物の被害を一定レベルに抑えることができたことだ。

阪神大震災では、左右逆向きの力がかかり柱に斜めの大きなひびが入る「せん断破壊」によって高架橋が桁(けた)ごと落ちるなど、山陽新幹線に深刻な被害が出た。だが今回は「高架や橋などに大規模な修繕が必要な崩落は無かった」(JR東日本)。土木学会の調査団に参加した日本大学工学部(福島県郡山市)の岩城一郎教授(コンクリート構造物が専門)は「鉄筋コンクリートや鋼板を柱や橋脚に巻く補強は明確な効果があった」と指摘する。

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震災、JR東日本の業績に影

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