2018年6月24日(日)

冬の遊び 俳句一口講座 竹馬

2011/1/15 16:00
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(たかだ・まさこ)1959年岐阜県生まれ。東京大文学部卒。主婦で2女の母。俳句結社「藍生」所属

(たかだ・まさこ)1959年岐阜県生まれ。東京大文学部卒。主婦で2女の母。俳句結社「藍生」所属

 新しい年になってはや半月。1月15日を中心にして祝われる正月があります。残念ながら私は経験がありませんが、「小正月(こしょうがつ)」、「女正月(おんなしょうがつ)」といいます。今もきっちり祝っている地方や家庭があるようです。ちなみに1月1日は「大正月」、「男正月」といいます。

 さて、15日付夕刊の句の季語は「竹馬」でした。「高足(たかあし)」「鷺足(さぎあし)」とも呼ばれるようです。どの季節にも遊べそうな気がしますが、冬の季語になっています。もともとは川を渡るときや降雪の際に使われる生活用具だったそうで、そんなところから冬のものという意識が定着したのではないでしょうか。

 竹馬の青きにほひを子等知れる中村草田男

 竹馬が竹でできていることを、はたして今の子等は知っているでしょうか。

 「縄飛(なわとび)」も冬の季語です。子どものころを思い返してみると、たしかに冬の遊びでした。汗をかくほど夢中になって、そのあと風邪をひいたことも。そんな思い出はありませんか。

 縄とびの子が戸隠山(とがくし)へひるがへる黒田杏子

 小学生のころよくやった「押しくら饅頭」。最近見かけないのは、路地や空き地が減ったからでしょうか。これも冬の季語です。

 おしくらまんぢゆう路地を塞ぎて貧などなし大野林火

 「雪合戦」「雪だるま」「雪うさぎ」などの雪が降るとできる遊びはもちろん、「スキー」「スケート」、また「アイスホッケー」「ラグビー」も冬の季語です。

 靴紐を結ぶ間も来る雪つぶて中村汀女
 雪だるま星のおしやべりぺちやくちやと松本たかし
 シュプールをいたはるごとし夕映は香西照雄
 スケートのひもむすぶ間も逸りつゝ山口誓子
 眉の根に泥乾きゐるラガーかな三村純也

 大人になるとスポーツとして取り組むことが多くなりますが、その日の天候で遊びを決めた子ども時代には、意識こそしていませんでしたが、季語があふれていました。

 外で遊ぶ子ども自体をあまり見ない昨今。暖かく、安全な室内に取り込むだけでなく、周りにも目を向けるよう、意識して導くことも必要になってきているのではないかと思います。いえ、「暖房」も冬の季語ではあるのですが。

(高田 正子)

「初めての俳句・短歌」では、日本経済新聞土曜夕刊の連載「耳を澄まして あの歌この句」(社会面)に連動して、毎回、季節に合った写真に短歌や俳句を添えます。歌人の大辻隆弘さんと、俳人の高田正子さんが歌や句の背景、技法についてわかりやすく解説します。

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