2019年5月26日(日)

保険の転換、気をつけて 生命保険は誰のために(2)
編集委員 田村正之

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2010/10/11 7:00
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「大手生保の営業って、本当に変わらないな、ってびっくりしましたよ」。金融機関に勤務するAさん(48)は苦笑混じりにそう話す。

Aさんは1990年代前半に国内大手生保で終身250万円、定期4750万円の死亡保障に加入した。現在の保険料は月に2万円台半ばだそうだ。

昨年春ごろ、その大手生保の営業職員である40代の女性が訪ねてきて「50歳で更新になり、保険料が4万2000円に上がります。この機会に保険を見直しませんか」と薦められたという。

職員のお薦めは、医療保障を重視した同社の新しい保険。現在入っている保険を解約してその保険に入り直せば、医療保障は手厚くなる一方で、保険料は2万8000円ですみます」と言う。

このように契約中の保険を下取りに出し、同じ保険会社の別の保険に入り直すことを「転換」という。このままなら50歳以降は4万2000円に上がるのだから、一見お得な話だ。

しかしAさんは仕事の必要性からファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持っていて、保険にはある程度の知識がある。このため提案内容に疑問を持った。

保険商品は期待利回りである予定利率をもとに、保険料が決まる。予定利率が高いほど、保険料は低くて済む。

例えば貯金して10年後に100万円を得たい場合、利回りが年1%なら最初に約90万円貯金しなければいけないが、利回りが年10%なら最初に40万円弱入れるだけで運用で大きく増え、100万円になるのと同じだ(図A参照。ただし予定利率と貯金の利回りは内容が異なる。予定利率についてはシリーズ第1回目を参照)。

Aさんが加入した90年代前半は予定利率が高く、5.5%。よく言われる「お宝保険」だ。Aさんはその職員に対し「解約して新たに入り直したら、予定利率は現在の平均的な水準である1%台半ばに下がってしまう。不利じゃないですか」と疑問をぶつけた。

「そしたら営業職員が、ちょっと斜め上を向いたまま『予定利率ですか、上がりはしないかもしれませんねぇ』って言うんです。びっくりしましたよ」

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