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なぜギャンブルにはまるの?

 パチンコや競馬、宝くじといった、いわゆる「賭け事」にのめり込んでしまう人は少なくありません。どうして人はギャンブルにはまるのでしょうか。その答えをみつけようと、脳科学から研究が進んでいます。

Q 母親がパチンコに熱中するあまり、駐車場の車に子どもを寝かせたままにしておいて死なせてしまったことがあったよね。

A パチンコも競馬もほどほどに楽しめばストレス解消にもなるんだが……。勝つかもしれないというドキドキワクワク感が強くなってくると、その「快感」が忘れられずについつい、我をも忘れて興じてしまうみたいだね。ギャンブルに詳しい大阪商業大学の谷岡一郎学長は「パチンコの場合、人がはまるように、あの手この手の仕掛けがたくさん盛り込まれている」と話しているよ。

やめられなくなる根っこにあると考えられているのが脳の中のドーパミンという物質なんだ。このドーパミンが分泌されると、人が気持ちいいと感じる「快楽神経系」のスイッチがオンになり、心地よくなる。この現象自体は日常生活でひんぱんに起き、何ら問題はないが、期待がどんどん膨らんでいくと、より強い快楽を求めるようになり、ドーパミンが増していく。ドキドキワクワクした結果、大当たりすれば、その時の達成感が脳に記憶され、再び、求めてしまう。

Q ギャンブル依存症という言葉を聞いたことがある。たばこや覚せい剤への依存と何か違うのだろうか。

A たばこや覚せい剤はだれでも量が増えていくと、中毒になっていく。一方、ギャンブルの場合は「はまる人」と「はまらない人」がいるようだ。脳の大脳皮質と呼ぶ部分で「賭け事は結局、もうからない」と冷静な意思決定ができれば、ブレーキになるからなんだ。ただ、どのようなタイプの人だと、このブレーキがきちんときくかどうかはまだよくわかっていない。

京都大学の先生たちは今年、特定非営利活動法人(NPO法人)「依存学推進協議会」を立ち上げた。近くパチンコ依存症に焦点をあてた脳科学研究をスタートさせるそうだ。パチンコ好きとそうでない人、数十人ずつに協力してもらい、最新の検査装置を使って脳の形状や活動状況を調べるそうだ。

Q 将来、病院で脳を検査してもらって、ギャンブルにはまりやすいかどうか調べてもらえる時代がやってくるのかな。

A そう簡単にはいかないだろう。人間の体のなかでも脳は一番わかりづらく、なぞだらけ。今回、研究に取り組む京都大学の先生も「依存症の脳はこれだ、とある典型的パターンを見つけるのは難しいだろう」と話している。

(編集委員 矢野寿彦)

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