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なぜあくびが出る?

 あくびはなぜ出るのか。なぜ他人に「伝染」するのか。あくびの正体について、様々な説明がなされていますが、まだ定説と言えるものがありません。

Q あくびは疲れたときや、眠いときによく出るよね。

A 退屈な時もそうだし、空腹の時によく出る人もいる。あくびは一種の深呼吸のようなもので、疲労などで血中の酸素が不足しているとき、あくびによって空気を吸い込むことで、酸素を補給するとの説がずっと有力だった。

Q そう思っていたけど、違うの?

A その考え方は今は否定されているんだ。あくびをしても、体内に取り入れられる空気の量は通常の呼吸と比べてさほど多くなく、血中の酸素濃度も実際には上昇しないことが実験で分かった。

Q ほかにどんな理由が考えられるの。

A あくびが脳を冷やすのに役立っているのではないかという説を、米国の心理学者が唱えている。氷などで頭を冷やした人の方が、あくびが出にくくなることが実験で分かった。あくびによって血流を良くして脳がオーバーヒートするのを防ぎ、頭がよく働くようにするという説明なんだ。ただ、それなら風邪などで熱があるときに、頻繁にあくびをかきそうだが、実際はそうではない。これも定説にはなっていない。

Q 意外と複雑な理由がありそうだね。

A 人間は退屈した時だけでなく、逆に緊張したときにもあくびをよくするんだ。たとえば、パラシュートで降下しようとする人が、直前によくあくびをするそうだ。この場合は、体が緊急時に備える態勢をとるための警報のような役割をしているのかもしれないね。

Q 他の人のあくびにつられて、あくびがよく出るのはなぜかな。

A あくびの伝染の仕組みもよく分かっていない。他人の行動や感情などを理解する脳の部位が関係している可能性が指摘されている。統合失調症や自閉症の人はあくびの伝染が起こりにくいそうだ。

Q 動物もあくびをするの。

A サルやネズミなどの哺乳(ほにゅう)類、爬虫(はちゅう)類、鳥類など動物の多くがあくびをするよ。ライオンの雄と雌が交尾をする直前に、相次いで大きなあくびをするのが観察されたりしている。あくびが何らかのコミュニケーションの役割を担っている可能性があるね。

(編集委員 吉川和輝)

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