2019年7月22日(月)

外債投資が日本株の成績まで高める理由とは 外貨投資の誤解(5)
編集委員 田村正之

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2010/8/2 7:00
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外貨投資に意味はあるのか? 今回はその理由を考えたい

外貨投資に意味はあるのか? 今回はその理由を考えたい

このシリーズを通じて(1)金利が高い外国債券に投資しても、長期的には投資先通貨の下落で金利分のメリットが失われることが多い(2)大手銀行の外貨定期も、証券会社で販売している外債も、一般に為替手数料がかなり高い――ことなどを眺めてきた。

かといって「それでは外貨投資には意味がない」というのはもちろん誤解だ。その人がとれるリスクの範囲内で外貨に投資しておくことは大切だと思う。その理由を5つほど考えてみたい。

1番目は、今後、どの資産が上がるかは分からない、という理由。だからこそ外貨も含めた分散投資が大切という、いわば当たり前のことだ。

グラフAは、2000年のITバブル崩壊後の各資産の値動きの推移だ。例えば日本株が元の水準に戻るまでには実に6年もかかっている。一方でこの間、円安傾向が進んだこともあって、外債の指数は約9割も上昇した。

「高金利のメリットはいつか為替下落で失われるのだから、外債投資は無意味」と考えて外債に投資していなければ、外債の上昇を指をくわえて見ている結果に終わっただろう。

この時期の外債のように、大きく上昇した資産が保有資産の中に含まれていると、実は日本株など別の資産の長期的なリターンを高めることにもつながりやすい。どういうことだろうか。

分散投資の成果を高める手法の1つに「リバランス」というものがある。一定の時期ごとに保有資産の比率を見直し、最初に決めた比率より上がっているものは売却、下がっているものは買い増して元の比率に戻すことをいう。

「上がった資産はやがて下がり、下がった資産はやがて上がる」ことが多い。だから価格が下がった資産はそこでいったん買い、比率を元に戻しておくと、保有資産全体の成績が長期的に良くなりがちという訳だ(時期にもよるので絶対ではない)。

少し話がずれるが、リバランスの本来の目的は成績向上のためというより、リスク(資産価格のブレ)が、当初に想定したものと大きく変わってしまわないようにすることだ。

例えば株式50%、債券50%のポートフォリオを組んだ後、株価が大きく上昇すれば、1年後に株式70%、債券30%の比率になっているかもしれない。

株式は債券より値動きが大きいので、そのまま放置すると、結果的にポートフォリオ全体の値動きが、当初に想定したものより高まってしまう。例えば下落局面で大きく下がる資産構成になる。

それを避けるために行うのがリバランスだが、結果的に「上がった資産は売り、下がった資産は買う」ことになる結果、成績もよくなりがちということだ。

次ページ→「やり方さえ間違わなければ、大けがは避けられるかも」

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