為替リスクほぼゼロで外貨投資できる不思議な現象 外貨投資の誤解(4)
編集委員 田村正之

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2010/7/19 7:00
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為替リスクなしで外貨投資できたら……
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為替リスクなしで外貨投資できたら……

 外貨投資で誰もが思うのが「高金利の外貨に投資したい。でも為替リスクが怖い」ということ。

 もちろん為替ヘッジ(将来、一定の為替レートで、運用していた外貨を円に戻す契約を付けること)という手段もある。しかし少し金融のことを知っている人なら「為替ヘッジを付けたら、ヘッジコストがかかって金利差が消えてしまうので意味がない」とすぐに反論するだろう。

 ところがここ1年半ほど、投資対象商品によっては「為替ヘッジコストがほぼゼロで外貨投資できる」という、夢のような不思議な状態が続いている。

 このことを理解するには、まずは為替ヘッジの仕組みを知ることが必要。ちょっと面倒くさい説明が続きそうだが、一度理解しておくと外貨投資をするうえでいろいろと参考になる。

 まずは外貨預金のイメージを図Aで考えていこう(今回、為替手数料や税金は考慮しない)。1ドル=100円のとき、円預金の金利は1%、ドル預金は5%だったとする。100万円(1万ドル)預金すると、1年後、円預金は101万円にしかならないが、ドル預金は1万500ドルに増えているはずだ。

 増え方を考えると、当然、金利の高いドルが魅力的。しかし、ここで不安になるのが1年後の為替レートだ。もしも例えば1ドル=90円などに大幅に円高になっていれば、1万500ドル×90円=94万5000円と、円に戻すと元本の100万円を大きく割り込む。これが外貨投資の怖いところだ。

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 そこで登場するのが為替ヘッジという仕組み。1年後に実際の為替レートがどんな水準になっていようとも、ヘッジした時点での交換レートでドルを円に戻せるという契約だ。

 将来の円ベースでの金額をあらかじめ確定できる利点があるので、例えば輸出企業などが、輸出で将来ドルを得る予定があるとき、為替ヘッジを付けることで円ベースでの受取金額を確定させるためなどに使う。

 個人も外貨投資をするとき、商品によっては同様の手法を使える。外貨預金の多くはヘッジを付けられるし、外国株や外国債券で運用する投資信託の中にも「為替ヘッジあり」というコースを選べるものがある。

 ただし、問題はその交換レートだ。厳密には複雑な計算が必要になるが、ここでは簡略化して説明する。図Aのケースだと、1年後の予約レート(これを先物レートという)は101万円と1万500ドルが同じになるレート、つまり101万円÷1万500ドルの約96.19円となる。現在のレートである100円(これをスポットレートという)より、円高の水準でしか予約できないのだ。

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