「かめれおん日記」 折原一
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昨年の10月、京都の灯光舎という出版社から手紙が届いた。中島敦の『かめれおん日記』を出す企画を立てたのだが、その巻末エッセイとして私の母の「兄と私」を載せたく、その許可をいただきたいというのだ。
中島敦は、中国の古典に材をとった「山月記」や「李陵」などで知られる小説家だが、自身の身辺および内面を描いた「かめれおん日記」は、中島作品の中では特異な位置を占めている。そのよさを広く世に知らしめたいとい...
昨年の10月、京都の灯光舎という出版社から手紙が届いた。中島敦の『かめれおん日記』を出す企画を立てたのだが、その巻末エッセイとして私の母の「兄と私」を載せたく、その許可をいただきたいというのだ。
中島敦は、中国の古典に材をとった「山月記」や「李陵」などで知られる小説家だが、自身の身辺および内面を描いた「かめれおん日記」は、中島作品の中では特異な位置を占めている。そのよさを広く世に知らしめたいとい...
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