ドイツ総選挙後の欧州(中) 多党化定着、連立交渉 複雑に
板橋拓己・成蹊大学教授
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ドイツ連邦議会選挙は、16年ものあいだ首相を務めたメルケル氏が早々に引退を表明したことで、連邦共和国史上初めて現職の首相が立たない選挙となった。
選挙戦は混迷し、結果は予測不能だった。今春に「社会民主党(SPD)が第1党になる」と言ったら一笑に付されただろうし、7月の時点でも最終結果を予見できた者はいまい。
この半年の政党支持率の変動は目まぐるしかった。メルケル政権下での堅実な新型コロナ対策によ...