島正博(20)オイルショック
需要減退、債権者が次々と 資金繰りに奔走、専務が自死
[有料会員限定]
労働争議が収まらない中、1973年3月に36歳になった。20年前の新聞勧誘のおじさんの予言を忘れたことはない。「気いつけなあかん。36歳で死ぬかもしれん」
だが、くよくよ考え込んでいるヒマはない。「消費は美徳」といわれた高度経済成長期の末期、ニット製品は庶民に幅広く普及。島精機の機械の売れ行きは絶好調で、この時期売り上げは前年比1.5倍のペースで増え続けた。
潮目の変化は突然来た。同年10月6日...
関連企業・業界
企業: