春秋
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騒音やごみの放置など地域のもめごとはテレビのワイドショーの格好のネタだ。迷惑を省みない偏屈な住民にリポーターがマイクを向ける。スタジオの解説者は眉をひそめる。そんな映像は私たちの心をひどくザワつかせる。でも、つい見入ってしまう。なぜだろうか。
▼この疑問に文学の方法で光をあてたのが、橋本治さんの小説「巡礼」である。戦時下で少年時代を過ごし、黙々と働き続けた善良な男がなぜ、「ごみ屋敷」に引きこもるよ...
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