春秋
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遠藤周作さんは大学卒業時に就職先がなく、出版社でアルバイトをした。仕事は原稿集め。焼け野原の東京を歩き回り、遅筆の執筆者に泣いた。作家になって締め切りを守るのは「あの時の汗まみれの自分を思い出すからである」。本紙「私の履歴書」にあった逸話だ。
▼ドイツ語由来の「アルバイト」がそれまでの「内職」に取って代わったのは、ちょうど遠藤さんが汗していたころと重なっている。教育社会学者の岩田弘三さんは、戦後学...
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