春秋
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年ごろの娘を持つ父親は悩みが尽きない。小津安二郎監督はこのテーマを繰り返し映像化したが、初のカラー作品である「彼岸花」は現代にもよく通じる物語だろう。佐分利信が演じる父親は、友人の娘の駆け落ちにさえ理解を示すのに、わが家ではひどく頑固なのだ。
▼勝手に結婚相手を決めてしまう娘に、この親(おや)父(じ)は激怒する。「会社なんか休め。家で反省してろ」。そのくせ、よその娘にはへんに気を使うのだから困ったも...
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