春秋
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ヘミングウェイは副詞を嫌ったという。「日はまた昇る」「誰がために鐘は鳴る」「老人と海」……。どの作品も修飾語の少ないシンプルな文体だ。しばしば指摘されるその特徴を「数字が明かす小説の秘密」(ベン・ブラット著、坪野圭介訳)なる本が分析している。
▼「~ly」で終わる副詞の分量を調べてみたところ、1万語につき80語しかなかった。この傾向はフォークナーの「八月の光」やスタインベック「怒りの葡萄」などにも...
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