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救急現場、デジタル化進む

ARグラス装着し処置/映像付き119番に対応 迅速搬送・救命率の向上期待

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救急医療の現場で、撮影された映像を消防や病院と共有し、迅速な搬送につなげるデジタル化の検証や導入が進んでいる。近年の傾向では、高齢化などにより救急出動は増え、通報から患者を病院に収容するまでの時間も長引いている。搬送の迅速化の他、救命率の向上も期待されており、識者は「高齢化が進む地方こそ導入が必要」と話す。

宮崎県都城市消防局は5月、全国で初めて救急救命士が出動の際にAR(拡張現実)グラスを装着し、現場を撮影しながら処置に当たる実証を行った。ARグラスはウェブ会議システムとつながり、現場の様子を病院の医師や消防局にリアルタイムで送って映像やメッセージを介してやりとりする仕組みだ。

2カ月間の実証で15件の使用があった。救命士が高度な処置を行うときには医師の指示が必要だが、ARグラスを使うことで、より具体的な指示を受けられたという。

実証では接続不具合もあり、時間短縮の効果は判断できなかったが、市消防局総務課の岩下拓斗さんは「映像の力は大きい。デジタル化の必要性を共有できたことは収穫」。費用面など課題があり、本格導入は「検討中」としている。

病院収容までの所要時間は延びる傾向にある。総務省消防庁の2021年版消防白書によると、10年は平均37.4分だったが、20年は40.6分に。迅速化と効率化は、喫緊の課題となっている。

119番通報者に現場の映像をリアルタイムで送ってもらう「Live119」を導入する消防も各地で増えつつある。消防庁防災情報室によると、神戸市消防局で19年に行われた実証をきっかけに、全国723消防本部のうち、65本部(15日現在)に導入された。

福岡市消防局では9月に導入。送られてきた映像で現場の状況を事前に把握でき「活動方針を素早く決めることができる」と担当者。ある交通事故現場では、市民からの映像で車の油漏れの有無を確認し、消防隊の配置に生かした。映像を基に、心肺蘇生など応急処置の方法を指導することもあるという。

日本救急救命士協会会長の鈴木哲司・鈴鹿医療科学大教授は、高齢化と人口減少が進む中で、地方では「今後ますます医療従事者など医療資源が限られていく」と指摘。救急活動の効率化には、デジタル化が必須だとして「地域を熟知する地方自治体が率先して提案していく必要がある」と話した。

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