〈ニッポンの統治〉「官邸1強」の後(5)政策立案で省庁「困惑と空白」
縄張り返上、押しつけ合い
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「あと1年でやれって?」。9月9日、農林水産省に困惑が広がった。岸田文雄首相が「農政の憲法」と呼ばれる食料・農業・農村基本法の初改正を指示した。あらゆる農業政策の方向性を定める同法は1999年、7年がかりで制定した。今回は2023年末に期限を区切られた。
役所の秋は翌年度予算案の調整で忙しい。今年は第2次補正予算案の編成作業が重なり、ただでさえ負担が大きいところへ法改正が追い打ちをかける。国会答...