労働分配率、31年ぶり低調 昨年度62%に低下
増益の還元進まず 経済成長へ賃上げ急務
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働く人の賃金への分配が滞っている。財務省の法人企業統計をもとにした民間試算で、2021年度の労働分配率は62.6%と前年度から5.7ポイント低下した。バブル景気で企業の利益が伸びた1990年度以来の低水準だった。利益を内部留保や配当に回す企業の姿勢が影響している。物価高が続く中、賃金への十分な還元がなければ個人消費を下振れさせかねない。
労働分配率は企業の稼ぎがどれだけ人件費に回ったかを示す。低...