西川きよし(29) 文化功労者
古典演目なき大衆芸能に光 先達が積み上げた「つなぎの芸」
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「おい、少しつないでこい」
演芸場で何かトラブルが生じて高座に穴が空きそうなとき、若い漫才師はこう頼まれたものだ。寄席の世界で漫才は古くから「つなぎの芸」とみられてきた。
よく言えば漫才は融通が利く。演じる時間の長短を調節しつつ、次の出演者の出番まで客席が冷めないよう時間を稼ぐのに向いている。この特長を生かせたのが、ラジオやテレビの世界だ。草創期の放送界は、ぶっつけ本番の生放送が主流だったから、...