文明が野蛮に屈するとき
坂井修一
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恥ずかしい話だが、私は55歳になるまで、シュテファン・ツヴァイクの本を一冊も読んだことがなかった。たまたま観(み)た映画「グランド・ブダペスト・ホテル」に感心し、この映画がツヴァイクにオマージュをささげていたので、彼の著書『昨日の世界』を買って読んでみることにしたのだった。
感想――映画が無ければ、これを読まずに死ぬところだった。助かった。「グランド・ブダペスト・ホテル」に感謝!
『昨日の世界』は...
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