春秋
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自分に届いた郵便物を手に新入社員が先輩に尋ねる。「これ何でしょう」「召集令状じゃないか」「召集令状って、いったい何です?」。小松左京さんのSF小説「召集令状」はそんな会話で始まる。舞台は終戦から18年後。戦争を知らない若者が町に増え始めた頃だ。
▼受け取った男らは入隊日にふっと姿を消し、やがて戦死公報が届く。戦争を続けるもう一つの日本があるかのようだ。登場人物が諦めて言う。「それ(戦争)が始まっち...
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