統計学と感染症(下) 全員感染のリスクも考慮を
佐藤彰洋・横浜市立大学教授
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新型コロナウイルス(以下、新型コロナと略)の感染拡大下にあって、政府や各種機関がデータに基づいて意思決定ができるよう様々な種類のデータ、指標が提唱されてきた。しかし、多くは全数調査ではなく標本調査に基づいている。データを集める場合、全数調査は時間的・資源的制約から実質的に困難である。
統計学では調査対象全体を母集団とし、調査により得られた母集団の部分集合を標本と定義して、標本から母集団を推計する...