文学周遊石坂洋次郎「乳母車」 東京・九品仏駅周辺
乳くさい赤ン坊の匂いが、哀しく嗅覚をこそぐった

2020/8/8付
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日本経済新聞 夕刊
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昭和の高度経済成長期。書店の文庫売り場の棚を占めていたのは、「ア行」なら石坂洋次郎、「カ行」では源氏鶏太、「サ行」は獅子文六……。

彼らの作品は「中間小説」と呼ばれた。純文学と大衆小説の間という意味だ。〈新聞・雑誌連載→単行本→映画化→文庫〉というメディアミックスにより、広範な読者を獲得した。が、「通俗」と軽視する批評家もいた。

石坂もそう評された。本人はどこ吹く風、だったが。

1956年に発…

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