地獄の教え(4) MIHO MUSEUM「沙門地獄草紙」解身地獄
京都市立芸術大学客員研究員 加須屋誠
[有料会員限定]
お刺身(さしみ)やステーキや焼き鳥を食べる時、私たちはたいてい罪の意識にとらわれはしないものだ。けれども、仏教の教えでは殺生は重罪である。因果応報の理論に基づいて、殺生戒を犯した者は、解身(げしん)地獄に堕(お)ちて、自らが料理され、鬼たちに食べられてしまう。
大きなまな板の上で包丁を巧みに使って、罪人を解体する赤色の肌の鬼。その手前では、黄色い肌の鬼が椀(わん)に盛られた肉片を箸でつまもうとし...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り311文字