ビジネスと人権(下) 企業、直接取引なくても責任
中川淳司・中央学院大学教授
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ビジネスを展開するうえで人権への配慮が不可欠となっている。その発端となったのは、1997年の米ナイキの児童労働問題だった。同社が製造を委託するインドネシアやベトナムなどの工場で、児童労働が発覚した。米国の非政府組織(NGO)がナイキの社会的責任を追及し、世界的な不買運動につながった。
また2013年にはバングラデシュで縫製工場が倒壊し、従業員多数が死亡した事故が大きな波紋を広げた。多くの縫製業者...