春秋
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旅先で困ったとき、ちょっとした心遣いを受けた経験は、いつまでも記憶に残るものだ。330年ほど前、江戸から北へ向かった松尾芭蕉も、思い出を「奥の細道」に記している。今の暦で5月半ばに出発した俳聖らが、現在の栃木県あたりへたどり着いたころのこと。
▼知人を訪ねようと野原を進むが、日が落ち農家に泊めてもらう。明けて、さらに行くと、草を刈る男が「初めての人は迷います。この馬を貸しますので、止まった所で戻し...
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