半歩遅れの読書術隔離された列車の乗客が見た悪夢 亀山郁夫 旧ソ連の自己閉塞状況を暗示

2020/7/4付
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日本経済新聞 朝刊
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今年2月、横浜港沖に停泊する大型クルーズ船の映像をテレビで見ているうち、ふとある小説の一場面が頭に浮かんだ。1970年代のソ連で書かれたウラジーミル・マクシーモフの長編『検疫』(水野忠夫訳、河出書房新社)の冒頭である。

出会ってひと月、早くも倦怠(けんたい)に蝕(むしば)まれる中年カップルのボリスとマリヤ。休暇の終わりを黒海の浜辺でむなしく過ごす2人だが、オデッサ港に停泊する船に黒い旗が翻るのを…

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