春秋
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詩人、長田弘さんの昭和末期の詩集に「食べもののなかにはね、/世界があるんだ」と説きおこす一編がある。食べもの一つ一つに「生きられた国」があり、パンならその種類だけ国がある。そして「真っ赤なビートのスープのなかには/真っ赤に血を流した国がある」。
▼ビートでつくる赤のスープといえば、ボルシチのことだ。今でこそロシア料理を代表する一皿だが、もとはウクライナの郷土料理だった。レシピの幅をさまざまに広げな...
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