春秋
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「氷雨降る一日をこもりマスク縫ふウイルス猛威の世界の隅で」(小知和弘子)。先日の日経歌壇にこんな短歌があった。人と人との接触を抑えられた異様な日々。世界を覆う、その不条理を静かに詠んだ歌が胸を打つ。三十(みそ)一(ひと)文字の文芸の、なんとしたたかなことか。
▼いま新聞などの歌壇俳壇には、この歴史的厄災にまつわる投稿が殺到している。とりわけ短歌は時代を映しやすいから、どのメディアでも「コロナ詠」が...
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