将棋指しの胸のうち
坂井修一
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谷合廣紀君は、プロの将棋指し(四段)である。同時に彼は、私の研究室に属する博士課程の学生であり、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の研究をしている。
理系、特に情報科学の研究者というと、氷のように冷徹なアタマを想像しがちだが、そんなものではない。
今年のはじめ、谷合君はまだ、奨励会の三段リーグにいた。プロになる一歩手前だが、リーグで首位か2位になるか、次点(3位)に2度なるかで...
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